構造くん(Structure-Kun)

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マネー・ショート 華麗なる大逆転("THE BIG SHORT") 感想 - <外国版「半沢直樹」?>

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05年、ニューヨーク。金融トレーダーのマイケルは、住宅ローンを含む金融商品債務不履行に陥る危険性を銀行家や政府に訴えるが、全く相手にされない。そこで「クレジット・デフォルト・スワップ」という金融取引でウォール街を出し抜く計画を立てる。そして08年、住宅ローンの破綻に端を発する市場崩壊の兆候が表れる。(映画.comより)

 

 おすすめ度 5点/10点

 ブラピがすきだ。ほんとうにすきだ。『オーシャンズ11』ではじめてブラピを見て、あんなにセクシーに指についたお菓子のカスを舐めとる男がこの世の中に存在するのか、と愕然とした。居酒屋で指についた枝豆の塩をぺろぺろ舐めるおじさんが居るけど、同じ世界の住人とは思えない。

 だから構造くんがこの映画を観に行ったのは、ブラピが見たいからだ。ブラピがすてきなヒゲを蓄えてサラダをこさえている姿が目に焼き付いている。パ、パパ……! ってなった。産まれてえ。来世でもいいからブラピの息子か娘に産まれてえ。

 映画の話をすると、経済の話である。むずかしい。構造くんは多少の予習を(といっても、「サブプライムローン」や「リーマンショック」という単語についてすこし読んだくらい)して臨んだのだけれど、やっぱりそれだけじゃちょっとむずかしかった。けれど、全然分からない! というわけではない。分からないところは解説が入るので、構造くんのような経済初心者でもぜえぜえと息を切らしながら映画に付いていけば、まあなんとかなる。

 華麗なる大逆転、というサブタイトルを見て、「半沢直樹だ」とも思った。堺雅人のこともすきだ。だいすきだ。だから、ドラマ版・半沢直樹も見ていた。あれは胸がすっとするいいドラマだった。マネー・ショートもそんな類の、いわば復讐劇というか、胸がすっとする映画なのかしらん、と思って、観ました。

 以下ネタバレです。観てない方は是非観てから。

 

 

 

 ぜんぜん半沢直樹じゃないです。

 勝利に達成感が伴わず、虚無感が漂う。勝っても嬉しくないんですよね。主人公たちは結果的にみーんな莫大な利益を産んだんだけど、その利益は世界中の経済破綻——つまり世界中の人々の不幸を練り込んでもたらされたものな訳だから。最後の方はこう、胸がすっとする! っていう感じじゃなくて、考えさせられるなあ、と思わせるための描写が多々でした。例えば、喜ぶ若手投資家ふたりを諌めるブラピのシーンとかね(めちゃブラピがかっこよかった)。カタルシスがない、と頭良さげなことでも書いておこうか。だから、”華麗なる大逆転”なんて邦題は余計なのかも。ていうか、邦題にケチつけてる人は割と多かったみたい。「マネーショートなんて経済用語はない」だとか。構造くんはそこらへんは門外漢なので、黙ってます。けど、”華麗なる大逆転”は要らなかったんじゃないかな?

 けど、全編、重苦しい空気が漂ってる訳じゃなかったね。ていうか、笑えるシーンが多かった。ブラピが「腸洗浄に行く」と電話越しに言うシーン(しかも二回も言う)ところは、構造くんの中のブラピ像が崩れる感じがあった。でもすき。ブラピー! 養子にしてくれー! 

 先述したけれど、分からない経済用語は第四の壁とかいう概念をガン無視して観客達に分かり易い解説を施してくれました。女優にシェフ、心理学者。くすりと笑える解説だし、いい演出だったなあ。 

 ここまで書いたけど、ほんとにブラピがかっこいいんだよ。ほんとに。経済映画だから、万人におすすめできる映画ではないのかもしれないけれど、かっこいい男が観たいというならブラピを観ればいい。それだけ。